お久しぶりです、マカロンです。
本日は2026/5/16(土)、17(日)の二日間にわたって開催された「みなかみ3ダム春の点検大放流」の参加レポートです。

3月の尾原ダム点検放流から2ヵ月、ついに日本最大級のダム放流イベントがやってきました。
当イベントは利根川本流の最上流にあたる利根郡みなかみ町にある3基のダム――藤原ダム、奈良俣ダム、矢木沢ダム――で一年に一度行われる点検放流のイベントで、
ダム愛好家の間では各ダムの頭2文字づつをとって「やぎならふじ」とも呼ばれています(むしろコチラのほうが通りが良いかもしれません)。
放流イベントと言ってもコアなダム愛好家にしか楽しめないようなマニアックなものではなく、参加者層にはむしろファミリー層や学生グループが多く見られるほどです。
これはイベント実行委員会を筆頭にみなかみ町、国土交通省関東地方整備局、水資源機構、東京電力リニューアブルパワー(TEPCO RP)の連合で作り上げており、
放流・ダム見学以外にもみなかみ町の飲食店による「みなかみマルシェ」や各種出し物、カヌー・ラフティング体験など幅広く楽しむことができるがゆえではないでしょうか。
ところで今回のやぎならふじは友人と3人で参加しており、私ともう一人はダム仲間で参加3回目、もう一人は初参加の自称・ダム初学者(「いや、ダムオタクではないです」が口癖)でした。
3度目ともなると「全部回るぜ!」とガッつくこともなくなるので、自分達が楽しむのは大前提ですがダム初学者の友人にダムの魅力を知ってもらう・楽しんでもらうことが目的の一つでした。
複数イベントが同時開催されたりバス移動も発生する都合上、全てを回りきることは事実上不可能なため100%遊び尽くすには二ヵ年計画を立てる必要がありますが、最低限ココは見るべしというポイントを抑えたルート選びを心がけました。
その意味で来年以降のやぎならふじ参加を検討されている方にとってはある程度参考になるのではないかと思います。
ここで書ききれないことも含めていずれ参加ガイド(攻略本?)でも作ろうと考えているので、即売会か何かでお手に取っていただけましたら幸いです(宣伝)。
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参加レポ……の前に基本情報
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参加したことのない方もあるかと思いますので、まずは基本情報をおさらいしておきます。
イベント会場は点検放流をする各ダムサイトで、1日目AMに藤原ダム、1日目PMに奈良俣ダム、2日目に丸一日使って矢木沢ダムで開催されます。
参加にあたっては事前に各ダムの駐車券・参加券を買う必要があり、2026年のチケット料金はそれぞれ以下の通り。
藤原ダム : 参加券 1,000円、 駐車券 1,500円
奈良俣ダム : 参加券 1,000円、 駐車券 1,500円
矢木沢ダム : 参加券 2,000円、 駐車券 2,000円
全て合わせると9,000円と決して安くはありませんが、力の入ったイベントですので末永く開催いただくためには仕方のないことと割り切ってください
(2024年以前は駐車券だけだったり、2025年と比べて駐車券が値上がりしていたり……とじわじわ値上げの波が来ていますが考えないことにします)。
駐車券は乗り合いで参加すれば割勘になるので家族・友人お誘い合わせのうえご来場いただくのがよいでしょう。
なお矢木沢ダムに関しては、みなかみ町内提携宿泊施設の「ダム優先入場宿泊プラン」を利用すれば特典として参加券・駐車券がついてくるのでお得です。
むしろこの優先入場券がないと1回目の放流を満足に見ることができないので、やぎならふじを遊びつくすには必須アイテムとも言えます。
特に『ダムマニア』著者・宮島咲先生の講演会やダム愛好家の交流会たる「放流部屋」、ダム愛好家向けの各種飾り付けが楽しめるホテル・サンバードは定番中の定番です。
1日目を遊び尽くしたら、その夜は1.5日目としてサンバードで交流を楽しみ、翌2日目へとつなげる……というのが必定コースと言えるでしょう。
ということでお待たせしました、次からいよいよ本題の参加レポートに入ります。
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1、藤原ダム
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最初は藤原ダムです。
藤原ダムの点検放流は10:30~11:30、12:30~13:30の2回実施されます。
各回とも中央の第2ゲート→左岸側の第3ゲート→右岸側の第1ゲートの順に10分置きに開門されるため、
全門放流が見られるのは10:50~11:10、12:50~13:10となります(閉門は1→3→2の順に操作)。
1門目の放流開始と全門放流とをどこから見たいかによって巡回ルートを決める必要が出てきます。
駐車場は8:30オープン、9:00より藤原ダム行のシャトルバスが運行開始します。
ベストポジションを確保せんと開凸するやる気に満ちた参加者が多いため第1便のシャトルバスはすぐ満員になりますが、複数台で運行しているため第3~4便あたりまでに乗車できればほとんど問題はありません。
今年は1回目の放流開始を堤内監査廊入口の手前すなわち右岸側の中腹で迎え、
放流が始まったら監査廊見学に突入し、監査廊出口は左岸側直下から3門目の開門を待つプランとしました。
これが見事にはまり、2門目の放流開始こそ見られませんでしたが1門放流・2門放流・全門放流の全パターンを堪能できたので満点と言えるでしょう。

また堤体内見学については、先着順ではありますがあまり早く並ぶと中途半端に監査廊に突入してしまい放流開始の瞬間を見逃すこととなるため、先にホロージェットバルブ体感を済ませておきましょう。
HJバルブ体感では、普段は入れない特設のビューステージ(上)・スプラッシュステージ(真横)で見学することができ、その勢いを間近に感じるとともに安全に水しぶきを浴びることができるのです。
なんと素晴らしいことでしょう。金網に写真撮影穴があるので平時でも障害物なく見ること自体はできるのですが、ダム汁を浴びてキャーキャーできるのはこの日だけの特別なエクスペリエンス。
点検放流がメインディッシュとすればHJバルブ体感は前菜のようなものですが、これがなかなか気持ちを高めてくれるのです。

ところ変わって堤内監査廊には水平な通路もあれば急な長い階段もあり、また要所に温度計・湿度計・歪み計などの各種センサー、変わったものでは定礎石なども見られます。
堤内はトンネルなどと同様に一年を通じてほぼ一定の気温に保たれているそうで、目盛りを読むと11℃でした。外が30℃近いことを考えると天国のようですね。

監査廊を出て全門放流をひとしきり観察すれば、いよいよ空腹を覚える頃合いです。
そんな時に嬉しいのがみなかみマルシェ。みなかみ町のキッチンカーが集まりお祭り気分を盛り上げてくれるのです。
迷う間もなく最初に視界に入ったスパイスカレーのお店「カレー屋まさら」に吸い寄せられ、あれよあれよと注文して受け取ったらばいざ実食。
ピリリと爽やかなスパイスが効いており非常に美味でした。直観に任せて大正解といったところでしょうか。
ダムでカレーと言うとダムカレーが定番ですが、本格スパイスカレーというのも悪くない……というかめっちゃアリです。
ふむ。本格スパイスなダムカレーなんてどこかで出現しないかしら。ダムビリヤニでも良いですよ(ダム違い)。
また、腹ごしらえをしたらダム愛好家たちによるダムグッズも見ていきます。
いつも通りまーうぇい先生にマニアパレルさん、カツオゲームズさん、そして委託でこひつじさんの新刊が出ていました。
まーうぇい先生のブースでは定番のやぎならふじアクキーとダムマンガ×異世界ダム建設誌クロスオーバー本(2025年のやぎならふじで初頒布された「ダムマンガから異世界ダムへ」の加筆強化版)が、
マニアパさんではダムジョッキ・危いタオル・あくまで点検Tなどのダム系アイテムが、
カツオゲームズさんでも定番のダムカードバトルがありました。今回はもっていないアイテム……ということで、こひつじさんの「ダムの日だより2」をいただきました。
しっかり情報収集して九州・中四国のダム巡りに活かしたいと思います。

この頃には正午も目前で、天端への移動時間を考えるとクレストゲート操作室の見学は間に合いません。
しかし初参加のメンバーを天端に連れずして終えるなど言語道断、表面取水設備・動く防災資料館を見学しつつ2回目の放流を天端で迎えるプランに切り替えました。
天端に着いたらさっそく表面取水設備を見学します。
堤体から離れた場所にぽつねんと建っており普段は鍵がかかっていますが、やぎならふじでは特別に中に入って取水部を覗き込むことができるのです。
さてこの設備は何ぞやというと、水温は湖底にいくほど低く水面に近づくほど温かくなるため、水面近くの温水を取水する目的の設備になります。
水位に追従するようにゲートを動かす必要があるため多段式スライドゲートが備わっており、また洪水吐きではないためスクリーンで覆われているのが特徴です。
写真左下が表面取水設備で、外周スクリーンの内側に沿うように半円形状のスライドゲートが設置されています(ここでは支えているワイヤのみ見えています)。
一回り内側にある足場のある部分は制水ゲートに剛結された点検路であろうと思われますが、職員さんから聞き出すことができなかったたね来年への申し送り事項ということで。
ついで動く防災資料館です。「動く」ってなんだろうかと思えば、なんと災害時の対策本部車だったのです。
こうしたダム系のイベントでは時折見かける「はたらくくるま」の仲間ですね。
道路パトロール車両やポンプ車などは各地のイベントで見ていますが、こちらは初めて。
車内はブリーフィングルームになっており、特撮映画などに登場する最前線基地といった雰囲気で非常にテンションが上がりました。
その後は2回目の放流を天端で迎えた後に直下までシャトルバスで移動し、そこで駐車場行きシャトルバスに乗り換えたらマイカーで奈良俣ダム見学者用の駐車場へ移動。
さらに奈良俣ダム行きのシャトルバスに乗り換えて……と諸々込みで藤原ダム~奈良俣ダムまでの所要時間は1時間程度です。

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2、奈良俣ダム
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そんなこんなで14時前に奈良俣ダムに到着です。
奈良俣ダムの点検放流は13:00~14:00、15:00~16:00の2回実施されます。
各回とも10分ごとに開度が上がり13:40~13:50、15:40~15:50の10分間が最大流量となります。
奈良俣ダムのゲートはセンターゲート1門のみ(今回は内蔵ゲートは稼働しません)かつ勢いもさほど極端な違いはないため、任意のタイミングで見られれば十分とうスタンスでいきます。
強いて言えば放流開始は天端で迎えたい(流れはじめ or ワイヤーロープの駆動を見たい)ので、1回目の放流を遠景・直下から見て、2回目の放流開始までに天端にあがるのが理想的なプランと言えるでしょう。
ところが藤原ダムでのんびりしすぎたため、奈良俣ダムに到着したころには1回目の放流は終了直前。
洪水吐き直下の橋から1回目の放流および放流終了を迎えられたのもギリギリ滑り込みというところでした。セーフ。
1日目の藤原ダムと奈良俣ダムとは、どちらか一方が駆け足になってしまうのが毎年のことながら悩ましいです。
今回は「ダム見学らしさ」を優先したため藤原ダムに長居しましたが、秘境らしさ・壮大さを楽しみたいのであれば早々に奈良俣ダムに移動しておくのが吉です。
これこそが「やぎならふじは二ヵ年計画で考えるべき」理由です。自由に回れるとはいえ網羅しようとしたら一度ではまず不可能なのです。

1回目の放流が終わったら、マルシェに立ち寄り軽食&飲み物休憩です。
ここでは軽めで十分だったので焼きそば1パックとペットボトルを買い、去年も来ていた「いちごの家」で苺スムージーを選びました。
いちごの家といえば、相俣ダムの近くの道の駅たくみの里を根城にしたお店で、2019年にサイクリング途中に立ち寄ったことをよく覚えています。
去年もその時のことを思い出しながら食べましたが、今年も気温30℃に迫り夏の様相を呈しているのでしっかりとアイシングです。
なんてしている間にぐんまちゃんが襲来しました。
リーフレット上は「出演」と記載されていますが、意外と機敏かつぐいぐい来るので襲来と呼ぶのが相応しいのです。
到着前には「まもなくぐんまちゃんがやってきます」的な事前アナウンスがありますが、これはきっと放流サイレンと同じで警報に違いありません。
ちやほや撮影タイムでは奈良俣ダムをバックに写真を撮ろうと位置取りするも、目の前までぐいぐい接近して画角いっぱいを占有してきます。やっぱり襲来です。

で、ぐんまちゃんが来たということはもう14:30。
次の放流まで30分しかありませんので、発電所をちらっと覗いてから天端へ登ります。
登ると言っても流石にリップラップをクライミングするわけではなく、右岸側の階段で上を目指すのです。
奈良俣ダムは堤高158mありますので、階段と言えどもなかなかの高低差です。おおよそ30階分くらいでしょうか。
永遠に続くかに思われる登りの果てに天端についたら、天端の反対側の洪水吐きを目指します。
堤頂長が520mあるため意外とここからも時間がかかることを頭に入れておきましょう。ギリギリで到着すると結構焦ります(経験談)。

そして15:00、いざ放流開始です! ですが、たった1門のセンターゲートに全員が集まるため、
早めにポジション確保しておかないと開門直後の流れ出しはゲート側も洪水吐き側もほぼ視認できません。
そこでおすすめなのがゲートを巻き上げるワイヤーです。
これは真上のゲートピアから吊っているため最前列を確保できずとも見逃す懸念がないのです。
巻上機が駆動を始める「ガコンッ」の音が響いたら、数cm分ではありますがワイヤーが巻き上がりゲートを持ち上げます。
こればかりはゲート本体よりもワイヤーを見た方が分かりやすいので、隠れた楽しみ方と言えるでしょう。
なんて、余裕をもって到着しておけば済む話ではありますが、他所のダムでも使えるので覚えておきましょう。ここテストに出ます。
その後は表層取水設備を見学しました。
藤原ダムと名前が違うぞ? と思われるかもしれませんが、単に表記が違うだけで表層取水設備も表面取水設備も同じ役割のものです(選択取水設備と書かれている場合には機能面の違いがあります)。
同一設備内でも表層・表面で表記が入り乱れていることがあるくらいで、実際に奈良俣ダムでも工作銘板には表層取水設備、塗装工事記録には表面取水設備と記載されていました。
そうしてギリギリ目いっぱいまで楽しんだころには、奈良俣ダムのメインコンテンツの一つでもある連絡トンネル探検の最終入場時刻を過ぎてしまっていました(思い返せば去年も同じ過ちをおかしていた気がします)。
当初は、階段で登ったら堤内エレベータ&連絡トンネルで直下に戻ろうと考えていたのですが、仕方がないので階段で降りることにしました。
天端~直下の往復シャトルバスがあるのでそちらを使う手もありますが、せっかくならダムを歩きたいですからね。
連絡トンネルは来年のお楽しみにとっておくことにします。……三度目の正直なるか?(笑)

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3、ホテル・サンバード
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点検放流1日目が終わったらホテル・サンバードに投宿です。
サンバードの夜はやぎならふじのもう一つのハイライト。
何と言っても宮島先生の講演会に放流部屋、この2つは非公式ながら実質メインイベントですから、サンバードに泊まらずしてやぎならふじは完成しないと言っても過言ではありません。
サンバードで特別なイベントが開かれるようになったのは、ダム好きの社員さんと宮島先生との交流(?)がきっかけだったそうですが、十年以上も続き今に至ると思うと新参者ながらに感慨深いです。
社員さん自身がダム愛好家とあって、参加者の喜ぶツボを抑えた装飾やイベント主催で盛り立てていただいているわけですね。
またサンバードの社長さんがやぎならふじの実行委員会長だというのも大きいのかなと思います(任期延長により来年も継続されるそうです)。
そしてサンバードと言えば貸切露天風呂も魅力の一つ。11ある露天風呂から時間制で貸切予約ができるのです。
宮島先生の講演会が17:00~18:00、夕食が19:00~のため、18:00~18:40あるいは早めにチェックインして16:00~16:40の枠を選ぶのもアリです。
後者の場合は奈良俣ダムを早めに切り上げる必要が出てくるので、何度も通っているリピーター向けの選択肢ですね。
内湯であれば予約要らずで翌朝8:00まで自由に入れるのですが、貸切露天風呂つきのプランを選ぶことを強く推奨します。
しかし今年はそれだけではありません。
なんとカラオケDAMの最新機種を導入した「ダム×DAM」一日無料放流という企画もありました。
当日のサプライズ告知でしたが、放流部屋の開始前から0次会(?)として盛り上がりました。
普段ダム以外での交流のない方々とのカラオケというのも新鮮で楽しかったです。
願わくば来年も開催されんことを。

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4、矢木沢ダム
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サンバードをチェックアウトしたら放流2日目、ついに矢木沢ダムです。
サンバードの「ダム優先入場宿泊プラン」を利用しているので、8:30ごろに矢木沢ダム入りを果たします。
今日は丸一日矢木沢ダムを満喫しまくる日、朝から気合を入れていきましょう。
さて矢木沢ダムの魅力はと聞かれますと、誰が何と言おうと大迫力のスキージャンプ放流で決まりです。
ずぶ濡れ必至の大流量で、まさにやぎならふじの看板と言えましょう。
利根川本流の最上流ダムであり山奥の秘境に位置することも非日常感を演出しており、ダム愛好家に限らず参加者全員を虜にすること必至です。
矢木沢ダムの点検放流は10:30~11:30、13:30~14:30の2回実施されます。
各回とも10分ごとに開度が上がり、11:10~11:20、14:10~14:20の10分間に最大流量30t/s(=30㎥/s)をマークします。
このピーク時は「瞬き厳禁! 網膜に焼き付けろ!!」なフィーバータイムなのですが百聞は一見に如かず。まずは写真をご覧ください。
いきなりピーク時の写真をトップにもってきましたが、左下から右下へ、そして最後にトップの状態に推移するのです。すごくないですか? そう、すごいんです。マジで。

しかしコレだけで満足して帰るようでは仁和寺にある法師です。
矢木沢ダムの点検放流にはもう一つ欠かせない瞬間があります。
それこそが1回目の点検放流の最初の2分です。わけても最初の10秒は何に変えても肉眼で捉えねばなりません。刮目せよ!!
何がすごいって、そりゃあ、もう、貯まりに貯まった泥汚れが根こそぎ洗い流され、荒れ狂う濁流の様相を呈するのであります。
よほどのことが無い限り非常用洪水吐きが使用される事態には至りませんから、前年の点検放流から1年間分の汚濁がこの数十秒に押し寄せるわけです。
貯水池内の水が濁っているわけではなく洪水吐きを流下する間にどす黒くなるため、天端側ではここまでの驚きは得られません。1回目は絶対に下です。
もう分かりましたね? コレを見ずして果たし侍るなどとは口が裂けても申せませんので見逃した人は来年また見に行きましょう。
しかしココには一つ罠がありまして、一般入場だと先頭に並んだとしても矢木沢ダムに到着するのが11時過ぎ、おそらく11:15~11:30ごろで放流終了ギリギリのタイミングです。
来年初参加予定の方がございましたら、悪いことは言いませんので「ダム優先入場宿泊プラン」をご検討ください。
余談:なお洪水吐きは非常に長いため、ゲート操作からスキージャンプ部分まで到達するのに1分半ほどかかります。
放流開始前からカメラを回していると想像以上に長尺の動画になるのでデータサイズにご注意を。

てなところでメインイベントの放流の話は一区切りつけまして、その他のお楽しみにも触れていきます。
まずはダム見学関係から行きますと、堤内エレベータで地下2階まで108m降下しまして監査廊を歩いてゆき……なんということでしょう。
監査廊を抜けると直下であった。普段は一般人が立ち入ることのできない矢木沢ダムの真下です。
そそり立つコンクリートの塊が私を見下ろしてきます。アーチダムは薄くて華奢ですって?
そんな戯言はこの地に降り立ってしまえば何の役にも立ちはしません。
むしろ圧倒的な存在感でもって迎え入れ、しかし優しく抱きとめてくれるのです。
遠目に見れば灰色の塊なダムと言えどもこれだけ近くに寄らば多彩な表情をのぞかせるもので、
堤体に影を落とすキャットウォークはオーバーハングゆえに一層ごとに独自の軌跡を描き、
ブロック工法の面影を残す縦継目に打設時のコンパネ固定穴、コンクリート冷却用の注水口や温度管理用の計器台座跡など、どこを向いても気になるものばかり。
友人が「一生いられる」などとこぼしていましたが、本当にその通りだなと思います。
しかしこの先にもまだ見どころがあります。それこそTEPCO RPの矢木沢発電所、やぎならふじの発電所見学のオオトリにして最高にアガる発電所です。
矢木沢ダムは水資源機構の管理物件ですが、FNAWIPのPを司るのは東電なのです。
矢木沢ダムの奥利根湖を上部調整池、須田貝ダム(菅官房長官が視察されたあの写真のダムです!)の洞元湖を下部調整池として揚水発電をおこなっています。
奥利根湖は利根川本流なので純揚水式ではなく混合揚水式というやつですね(藤原ダムと玉原ダムとの間で揚水発電をおこなう玉原発電所は純揚水式です)。
かつては3基の発電機を持ち最大出力24万kWでしたが、2号機を解体したため現在は16万kWとなっています(ブログ投稿時点ではまだWikip○diaには誰も反映していないようです)。
そんな矢木沢発電所をたっぷり堪能して外に出ると、水資源機構とTEPCO RPの職員さんとが楽し気に会話している様子も見られました。ほっこり。
その後はダムカードと同じアングルで撮影できるスポットなどを横目にスキージャンプ観瀑エリアに戻り、そしてまたシャトルバスで天端に上ってエレベーターで降りてきて……と無限ループが楽しめるわけです。

続いてはダム見学以外のお楽しみの紹介です。これまた忘れてはならないのがダムカレー。
矢木沢ダムのみなかみマルシェは下流側にありますが、ダムカレーは天端でのみ販売されています。
1日目はマルシェを堪能して2日目はダムを見ながらダムカレーを食べるというのが私の中の定番です。
うかうかしていると売り切れてしまうので、1回目の放流が終わる前に天端に移動して入手しておくのがおススメ。
もう一つ欠かせないのがウォータースポーツ体験。カヌーやラフティング、SUPが楽しめます。
去年初めてカヌーに乗ってダム湖側から矢木沢ダムを眺めるという貴重な体験をしたのですが、今年はせっかくだからとSUPを体験してみることにしました。
去年と同じくゆったりのどかな時間を楽しむのも良いかなとおもったのですが、受付の方がめちゃおししていたので、興味もあるしせっかくだからとチャレンジしてみたのでした。
初めはあぐらから初めて次は膝立ち、そして立ち上がり……と順を追ってトライするのですが、膝立ちと立ち上がるのとでは安定感が全然違いかなーり苦戦しました。
インストラクターのイケイケお兄さんには力みすぎだよ~なんて言われるわけですが、いやそうは言ってもだね、めちゃくちゃ揺れるしどうにもならんのすよワハハ(笑うしかない)みたいな感じで(笑)
苦戦しつつも最後はどうにか立って(写真を撮ってもらう僅かな間だけ)それっぽい感じで漕ぎ、なんだかんだ楽しかったので大満足です。
帰ってから色々調べてみたのですが、結構いろんなダム湖で体験できるみたいで。
他所でもやってみようかな……なんて気の迷いを起こす私がいます。
そういえば、去年までは左岸側のスペースにソフ○バンクの基地局車両が来ていたのですが今年はいませんでした。
そして電波入らないぜワーニングが掲示されていたりして。そこの回線契約していない私には関係ない話ですが人によっては死活問題かも?

そして最後に、2回目の点検放流を天端から眺めて帰ります。
巻上機が駆動するガコンッの音から一瞬遅れて水が流れ出し、2時間のうちに乾き始めていた洪水吐きをふたたび潤していく様子を見守りました。
今見えているあの水は1分と少ししたころにはスキージャンプで宙を舞い、観瀑エリアの参加者たちを沸かせていることでしょう。
また来年もこの光景を見られることを願い、ダム愛好家の仲間たちと「どこかの天端で」と挨拶をかわし、やぎならふじを後にしたのでした。

てなところで本日はこれにて。また次のブログでお会いしましょう。
え、次のダム関連のイベントはもりみずと思いきや、吉野瀬川ダムの試験湛水サーチャージ目前見学会ですってぇ? マジで??